まぎかる゜火葬場

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うんうん、それも『アイカツ!』の感想だね

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珍しくプリキュア以外の女児アニメ感想だ!!!!!!!

 

見終わりました…見終わった………。アニメ『アイカツ!全178話を…。

なげえよ…大河ドラマか!YouTubeの週1無料配信に合わせる形でニコニコで追うように見てたので、本当に3年半かけて見ました…。ガチで長い付き合いになってしまった…。申し訳ないが俺はアイカツダッシュできないから、こうしてゆっくり見るしかねえんだ。

 

無印アイカツ自体は確かに初なのだが、シリーズ自体は2016年の『アイカツスターズ!』からの付き合い。アイカツ自体は何か人気だな~と小耳に挟んではいたものの、どういう作品なのかは全然知らなかったのだが、世界観やキャラクターをリセットした新シリーズが始まるということで手を出したのが始まりとなる。

そこからフレンズもオンパレードもプラネットも追いつつ、唯一まだ見れていないのが無印のみという状態になっており、無料配信をきっかけに「原点」を見始めたというわけだ。元々、オンパレードにも登場したあかりちゃんがかなり気になっていた存在だったのと、無印を象徴する楽曲「カレンダーガール」を聴く機会があったのだがあまりにも名曲すぎて一瞬で惚れ込んでしまったというのも取っ掛かりとして大きい。

▲何がとは言わないけど、カレンダーガールに対しては本当に最後までこの気持ちでいたかったですわね…(悲しさしかねえ…!)

 

販促先(?)でもあるACゲーとかは遊んでないし遊ぶ気も特に起きてないので(というか筐体はどれぐらい残ってるんだろ…)、全てを堪能したというのは言いすぎだが、これにてアイカツシリーズのTVアニメなどは全て見終わったことになる。シリーズ全部含めてしまえば、とんでもない話数になるはずで我ながらすごいなと思う。

 

無印アイカツ、控えめに言って「名作」としか言えなかった。陳腐すぎる言葉だし、あまり使いたくないのだが………多くのシリーズファンが無印を特に推すのも納得である。

とにかく全178話の中でテーマが一貫しまくっている。憧れは次の憧れを生む、いやこれスターズの歌詞だわ…。憧れが生む輝きの、長い長い…それはもう長すぎる「バトンリレー」………それが無印を支える根底だろう。

神崎美月というトップアイドルの光に導かれるようにスター宮こと星宮いちごがアイドルとなり、トップアイドルになったスター宮を今度は新しい主人公である大空あかりが追う。そもそもの美月さんも元を辿ればトップアイドルであるマスカレードの光に当てられた存在だ。長い長い積み重ねの上にある主人公の成長と交代劇を描く上で、3年半のバトンを詰めてきた稀有な作品…それが『アイカツ!』なのである。

 

だが、個人的にはこの作品にはバトン以外にも全178話を通して描いてきた大事なテーマがもう一つあると思っている。それが「憧れと輝きの大衆化」だ。

優しい世界観の中で前向きに少女達のアイドルを目指す奮闘を描いてきた無印だが、その道は決して楽な物ではないし、その頂きに広くて明るい光景があるとは限らない。それを体現していたのが、他でもないスター宮など多くのアイドルの憧れとなった神崎美月であった。

マスカレードの光に当てられ、血が滲むような努力をして自身もトップアイドルという頂きに辿り着いた美月さん。努力しなければ決して成し得なかったとはいえ、その「根性」または「才能」は美月さん自身しか持てないものだったのであろう。だからこそ美月さんは他のアイドルが放てない輝きを放つ、アイカツ界における特異点として君臨し続けることになったのである。

しかしその結果…いや過程においてもそうなのだが………何が起きてしまったのか。そう、美月さんは孤独に地表を照らし続ける月となってしまったのだ。他のアイドルは美月さんに届かなくなってしまった。そして美月さん自身も独りになってしまい、そのことに苦悩し続けることになる。

劇中ではこんなものなの?!オーディションを開き、紫吹蘭と一ノ瀬かえでを自身のユニット「トライスター」に迎え入れるものの、重圧を与えてしまった蘭を双方の納得の上で脱退させたエピソードが顕著だろう。

 

その後は自身のその課題に挑戦するがごとく、スターライトを離れて先進的なカリキュラムを組むドリームアカデミーで暗躍し、自身が夢見る「並び立つ輝き」を求めてアイカツ界に発破をかけていた。

その中で登場したのがアイドル経験が全くない夏樹みくる………経験を積み上げすぎて逆に辛い思いをしていた美月さんにとっては運命の出会いとしか言いようがない。新しいユニット「WM」を組み、経験がなかったとは思えない程の輝きを放つアイドルとなったみくると並び立つことが…美月さんにとってどれだけかげがえのないことなのか。そう、これが「憧れと輝きの大衆化」なのだ。美月、わたし超感動で鳥肌が立ってる。

 

そして美月さんの課題の終着点として欠かせないのは…やはり劇場版の「大スター宮いちごまつり」…。思い出すだけで俺は咽び泣いてしまう。

それまで主人公であるスター宮に本気でぶつかり、結果的にスター宮を打ち負かすことで変わらず頂きの目標で在り続けた美月さん。視聴者視点では2、3年もその状態だったのは前代未聞だ。長い…とにかく長い。どうして前に楽しく走り続けるスター宮が…主人公というバトンをあかりちゃんに既に渡しているのに美月さんをいまだに超えられないのか。積もりに積もった鬱憤に近い何かを視聴者は抱えていたのではないだろうか。

最終的に「アイドル引退」という選択を取ろうとする美月さんを、本編の新しい主人公であるあかりちゃんがスター宮と引き合わせる。美月さんの再び活動を続ける決心に繋がるのだが、当時はまだ新人アイドルとして駆け出し中のあかりちゃんでもトップアイドルが歩む道を灯台のように照らせるというのが、すごく…良い…。

 

そして重要なのは、スター宮がアイカツランキングのトップに躍り出たことで、美月さんが遂に玉座から引き摺り下ろされたことだ。カタルシスの大きさはもちろん、ようやく美月さんが自分を追いかけてくるアイドル達と肩を並べ………そのアイドル達のように追いかける側になれた瞬間…。

アイドルを目指すきっかけになった美月さんに対してスター宮は最大出力で感謝の気持ちを歌い上げる。それにより美月さんの中で込み上げる止められない「憧れ」こそ、かつて美月さんが頂きに上り詰める前に持っていた物であり「独りで抱えていた憧れと輝き」が、美月さんにとって「みんなで高め合う憧れと輝き」となった。そう、頂きから下へ堕ちたことで美月さんは「大衆」となってしまった………いや、なれたのだ。

 

作品が美月さんにカメラを向けることは、この後は減ってしまう。それどころか数少ない出番は、ギャグ回とも言えるお遊戯回でのスポット出演で威厳も何もなく扱われたり、スターズの無印コラボ回ではまるで一般アイドルかのようにスター宮達とアイカツに励んでいる…。

中々ビックリする扱いだが上述した通り、むしろこれは玉座から引き摺り下ろされた美月さんの描写としては大正解でしかない。美月さんが本来望んでいたアイカツの光景でもあるのだから。

 

そして物語のカメラは再び新主人公であるあかりちゃんに向けられる。スターライト入学試験では不合格になったばかりか、スペシャルアピールなども出せず、とにかくアイドルの素質を持たない凡人として当初は描かれたあかりちゃん。ジョニー先生曰くの「ドン底」を経験したアイドルは、明確にスター宮世代のアイドルとは異なる配置のキャラクターだ。

 

それでも物事に対する集中力や熱意という父親譲りの特性などで、地道にアイドルとしての輝きを身につけて行き、最終的に前主人公も手にしていなかったスターライトクイーンの座へ到達することとなる。

非常にわかりやすく、憧れと輝きの大衆化を表現したキャラクターと物語であり、それはスターライトクイーンに与えられる居住地の名称が距離感の近い「あかりちゃんち」になっていることにも表れている。

 

もちろん、誰もがあかりちゃんのようにアイドルとして強く成長できるわけではない。それはアイカツという作品のトンチキ要素スポ根部分を全面的に出すことで、憧れのスター宮へ手が届くほどの成長を果たしたあかりちゃんを描く最終回にこそ表れている。誰もがみんなスター宮に手を伸ばせるはずがないのは明白で、それを追いかけるあかりちゃんも同様なのだ。

 

しかし、凡人だったあかりちゃんはスター宮を追いかける過程で輝きを失いかけた一等星を元のレールに戻しているのも事実。

自身の輝きを断ちかけた美月さんは上述した通り。わかりやすいところで言えば新条ひなきの軸を語りたいのだが、高い実力を持ちながらも芸歴が長い故の前に踏み出さない選択になりがちだったひなきはあかりちゃんと出会ったことで再び輝くことができた。ベテランでありながら新人に学ぶというひなきの軸は、あかりちゃんに対してだけではなく、同じのような立場のみくるに対しても描かれている。

地獄でもがくあかりちゃんを見守っていた元ルームメイトの服部ユウも同様で、輝きに向かい続けるあかりちゃんを見て、距離を取ることになっても自身も新たな世界へ飛び出したことが語られている。

 

大衆の代表的存在と言えるあかりちゃんは憧れを追いながらも、他のアイドルに追いかけさせてはいない。その名の通り、"灯"として他のアイドルが歩む道を照らして自ら進ませていた。そう、何度も言う通り、これが「憧れと輝きの大衆化」なのだ。

そして、それらが大衆化したからこそ、より多くの「バトン」が生まれやすくなる。本編終盤のルミナス全国ツアーはつまり、各地に点在する大衆へ繋ぐバトンだったのではないだろうか。

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まだ色々語りたいことはあるのだが、それをやろうとするとまたとんでもない長さになってしまうので…以上とさせてください!!!!!!!

ちなみに『未来へのSTARWAY』とかも観終わりました。ちょうどアンコール上映してたからね…ありがとうございました。

最後に好きなキャラを紹介させてください…いやみんな好きだけど。蘭とユリカ様、セイラ………キャラというより過去エピソードでベショベショに泣いてしまい特別な思いがあるのだが風沢そらも………そしてやっぱりあかりちゃん…ひなきと珠璃、みやびも良い…。

楽曲はスターズ以降に比べると好きなのが減ってしまうのだが「カレンダーガール」と「SHINING LINE*」はやはり殿堂入りレベルで外せない。それ以外だと和ロック的なヤツが好きなので「薄紅デイトリッパー」だし、狂おしいぐらいに好きなのは「恋するみたいなキャラメリゼ」とかだ。世界の中心はここにあった!

 

とにかく、長い間…お世話になりました…!アイカツシリーズ………!新シリーズ…新シリーズをお待ちしておりますよ俺は…!あんまハネなかったっぽいけど、プラネットとか普通に俺は好きだったからな…!また見せてくれよ!!!!輝きをよォ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!

 

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