※2022年5月19日時点の情報です。アップデートなどで仕様が変わる可能性があります。
アクセス負荷分散のためのログイン割り当てがやたら遅れてしまって、この記事も遅れてしまった感は否めないが、一応…。
オシャボ勢の中でも限られた人達しか得しない謎記事です。いや、どうなんだ?意外と需要あったりする?
ボールの仕様などの説明をするために前置きがクソ長くなってしまっているので、検証過程や結果だけ知りたい方は目次からさっさと飛んでしまうことをオススメします。
「検証開始」のあたりか「結論」ってとこですかね。
前置きの説明
『Pokémon HOME』が、近日中にアップデート決定!
— ポケモン公式ツイッター (@Pokemon_cojp) 2022年5月12日
『ポケモン ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』『Pokémon LEGENDS アルセウス』との連携に関する詳細や、新たに追加される機能などが発表されたよ。
くわしくはこちらをチェックしてね!https://t.co/5Zwn9uHUBM #ポケモンホーム pic.twitter.com/F5pxjO2gnK
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』発売から半年、そして最新作『Pokémon LEGENDS アルセウス』発売から4ヶ月。ようやく『Pokémon HOME』との連動が始まりました。長かった…長かったけど、発表された仕様だけを見れば、それに見合う価値を見せてくれたと俺は思います。
まさかの『ポケットモンスター ソード・シールド』とのポケモンの相互通行が可能。いや、ビックリしましたね…。前例的に最悪なパターンを考え、良くて一方通行、出来ても今年冬に発売予定の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に集約させるのかと思ってたので…。
この相互通行により、オシャボ入りコレクターとしては、スカバイ*1を待たずとも、できることが大幅に増えてしまいました。嬉しい悲鳴ってヤツかもしれないっすね。
具体的には、BDSPでオシャボ解禁されたポケモンや、ガラルとシンオウどちらにも入国してるポケモンとかをもっとカジュアルに孵化・トレードができるようになったと思います。
例えばですけど、過去作でガンテツボールに入れたポッポとかを、最新作のBDSPで扱うことができるし、ガラルでドリームボールに入れたピッピとかをBDSPでも扱えるようになる。プレイヤーによって、持ってるソフトや求める環境は異なるわけなので、選択肢が広いのはとても良いこと。
そんな中で一つ、滅茶苦茶気になる新概念が登場した。そう「ストレンジボール」である。
今回、レジェアルとの相互通行も可能になったというのは先述した通りだが、ポケモンが入ってるボールに関して、剣盾やBDSPには微塵も形もない存在がある。
まぁ説明しなくても良いのだが…ヒスイ地方のモンスターボールですね。
これらのボールの名称、何が一般的なのかはわからないが、とりあえず俺は「ヒスイボール」と呼ぶことにします。
ヒスイボールが次回作以降、または過去作と連携する場合、果たしてどう扱われるかどうかはオシャボ勢にとっては、非常に重要なトピックであった。
それもそのはず、例えばせっかくジェットボールなどオシャレなボールに頑張って色が合うオヤブンや色違いを入れたのに、仕様次第でこれらが変わってしまったら苦労が水の泡になってしまう…。特にヒスイボールのその特殊な出自を考えれば、その嫌な予感というのは否定しきれなかったというのが本音だろう。わざわざ剣盾やBDSPに10種類もある新登場の木製ボールを実装するか?かなり微妙なラインだったのではないだろうか。
しかし、今回その懸念に解答が示された。結論から言ってしまえば、ゲーフリとイルカは実装しない選択を行った。剣盾やBDSPでヒスイボールを楽しむことはできず、剣盾では通常の「モンスターボール」、BDSPでは新登場の「ストレンジボール」として表示されることになった。
これでヒスイボールに合わせたポケモン捕獲をしていたプレイヤーは泣いてしまうことに………は実はならないと思うんですよねこれが。
HOMEのサポートQ&Aを見てみよう。
https://www.pokemon-support.com/pokemonhome/s/answers/000002550
作品によって登場するモンスターボールの種類は異なりますが、『Pokémon HOME』内では元の捕まえたボールが確認できます。
一方で、特定のモンスターボールの種類に入っているポケモンを『Pokémon HOME』から、そのモンスターボールが登場しない作品に連れて行った場合、通常の「モンスターボール」や「ストレンジボール」に入った状態で表示されます。
※再度『Pokémon HOME』に預けると、『Pokémon HOME』内では元の捕まえたボールが確認できます。
「特定のボール」とは恐らくヒスイボールのことを指すのだと思われる。この説明通りであれば、剣盾やBDSP内ではヒスイボールが表示されないものの、当該のポケモンはHOME内限定でしっかりヒスイボールで表示がされるということであろう。
事実、HOME公式サイトのヒスイゾロアークのステータス画面を確認すると、しっかりヒスイ地方のモンスターボールのグラフィックが表示されていることが確認できる。
処理の予想
少しプログラム的な知識がいる説明になってしまうことをご了承いただきたい。
処理としては、ヒスイボールで捕まえたポケモンに割り当てられているボール情報の値はHOMEに送っても維持されており、アップデートされヒスイボールの画像などが追加されたHOMEはその値に合わせて、ヒスイボールの画像を表示できるということなのだろう。
しかし、剣盾とBDSPは諸々の都合でヒスイボールのデータを追加する大掛かりなアップデートができない。ヒスイボールの値だけは持ってこれるので、苦肉の策として、剣盾は本来想定していない値が振り当てられている場合は通常のモンスターボールで表示するように処理し、BDSPは世界観にも合わせてストレンジボールを表示するという処理なのだろう。
剣盾は仕方ないが、BDSPのストレンジボールは認識で世界が広がる・変わるというテーマを示したレジェアルの文脈も乗っていそうで、悪くはない。脚本の人そこまで考えてないと思うよ。
こういった処理だとして、過去作においてこれは何も前例がないわけではない。
ボールで言えば、例えばHGSSで復活したガンテツボール入りポケモンをDPtに送ると、DPtはガンテツボールのデータがないのでモンスターボールとして表示されてしまうということもあった。もちろんガンテツボールに入れてるという値は保持されているので、そのポケモンをHGSSに戻すと、またガンテツボール入りとして表示されるのだ。
この仕様を利用して、当時、本来は作れないはずのコンペボール入りヌケニンを作る裏技も一部では有名。
スピードフォルムのデオキシスを用いたEmでRSと対戦を行うと、RS側にはスピードフォルムのデータがないので中身はスピードフォルムの能力でもノーマルフォルムのデオキシスが表示されてしまうという記憶が俺にはあるのだが(そうだったよね?)、そういうのも同じ原理だろう。
そういうことであれば、一つの疑問が湧かないだろうか?
ストレンジボールは遺伝できるの?
この見出しは正しくない。正確には「ストレンジボールとして表示されるヒスイボールは遺伝できるの?」だ。剣盾だったらストレンジボールというマスクデータすら存在しないので、モンスターボールに置き換える形になる。
この記事を開いているような方々ならご存知の通り、剣盾やBDSPにおけるタマゴ孵化では、子となるポケモンが親の入っているボールを遺伝するという仕様が存在する。マスターボールなど例外はあるが…。
XY以降から導入された仕様であり、これによって対戦用や旅パ用、コレクション用にポケモンが入ってるボールを選択するというムーブメントが生じることとなった。
作品によって扱いは様変わりするが、特にガンテツボールやドリームボールといったボールは、どの作品を通してもショップで売ってるようなボールと違い、希少性が高く、こういった非売品ボールに入ったポケモンをコレクションする層も存在する。俺なんかはそうだ。
レジェアルに登場するヒスイボールも、その出自の特殊性から非売品ボールに並ぶ希少性があると目されており(要出典)、現時点ではコレクションの対象や、他のプレイヤーとの交換材料として価値があるのではないかと思う。
しかし、レジェアルに孵化のシステムは存在しないため、HOMEとの連動前は野生で捕まえるしかない上に、特性の概念すらないので、夢特性のヒスイボール入りポケモンなんてのも作ることは不可能である。
しかし、内部上はヒスイボール入りのポケモンを剣盾やBDSPに連れてこられるようになった以上は、それが可能になっているかどうかは、とても気になるじゃないか!
できるようになってるなら、スカバイ発売前からヒスイボール入りポケモンのトレードだって出来てしまうのでは?
というわけで検証開始
いつものように前置きが滅茶苦茶長くなってしまった。本当にすまない…。
検証に使うポケモンは中々迷うのだが、とりあえずわかりやすさを重視して、レジェアルで捕まえたウイングボール入りのフワンテを素材に進めることにしてみる。
剣盾/BDSPどちらにも入国しており、ヒスイボールの中でも特に人気でわかりやすいフェザー系統ボールに入ってるのがコイツだったので…。
あと、夢特性は「ねつぼうそう」という、現時点ではフワンテ系統しか持っていない専用特性というところもわかりやすいよね。
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①レジェアル→HOMEに移送
なんてことはない。レジェアルと連携して見た場合は、事前情報通りだが、しっかりウイングボールで表示されている。
スカバイもこう表示されることを願いたい。
特性の概念がないレジェアルからHOMEに連れてきただけだと、特性はまだ決定されないのかな?ピカブイみたいに。もう内部的には決定してるかもしれんけど。
あと、オヤブンマーク表示されてるけど、これが維持されるかどうかは後述する。
②HOME→剣盾に移送
孵化にいつも中国語ROMを使っているので、日本語じゃないのはご了承いただきたい。
剣盾にウイングボールのデータはないので、事前情報通りに通常のモンスターボールで表示されていることが確認できる。
また、特性は「かるわざ」にされていた。ピカブイ→剣盾の移送時同様に、通常特性からランダムに決定するっぽい?
個体値もHASVだったので、3V以上固定でランダムで振り当てられると見て良いんだろうか?と思ったけど、多分がんばレベルで決まってるのかな。
なお、この状態でHOMEから剣盾にいるフワンテを見てみたが、どうやらSwitch版HOMEで見れる情報は剣盾内の仕様に統一するからなのか、ここでも通常のモンスターボール表示になってしまっている。HOME単体で表示しても何故か同じだ。
スマホ版HOMEならウイングボールが表示されてるんですけどね。
③剣盾で夢特性錬成&ウイングボール遺伝を試みる
ウルトラボール入りの夢フワンテ(♀)と、モンスターボール入り(中身はウイングボール入り)の通常フワンテ(♂)をかけ合わせる。遺伝が通常通り行われるのであれば、モンスターボール(中身はウイングボール)入りの夢フワンテがこれで作れるはず。もちろん、この場合はランダムでウルトラボール入りの夢フワンテも生まれることがある。
孵化してみた結果………
モンスターボールで表示されている夢フワンテが作れた。同種の親で孵化した場合、ボール遺伝は両親からランダムなので、ウルトラボール入りの夢フワンテも別個体として作成できた。
もちろん剣盾からでは、中身がモンスターボールなのかウイングボールなのかは判断できないため、一旦HOMEに移し、レジェアルにアクセス中のHOMEを介して見てみる。
俺の予想が正しければ、ウイングボールになっている可能性はあるが…?
…エッ!!!ス、ストレンジボールだ………。ンッ!!!!待って……ということは、これ……中身は通常のモンスターボール…ってコト!?
BDSPならヒスイボールはストレンジボールとして表示される仕様があり、通常の現代ボールは通常通りに表示されるはずなので、こっちでも確認してみるぞ…。
つ、通常のモンスターボールだ………。つまり、少なくとも剣盾内でヒスイボールの遺伝は不可能という答えになってしまう。処理的にはマスターボールやプレシャスボールの遺伝と同じで強制的に中身までモンスターボールになってしまうということだろうか。
また、中身の本当のボールがしっかり一律で表示されるスマホ版HOMEで見たところ、レジェアルから連れてきた最初のフワンテはしっかりウイングボールに入っていたが、先程のモンスターボール表示のフワンテはやはりモンスターボールだったため、やはり想定通りのボール遺伝ができていないことがわかる。
④今度はBDSPで夢特性錬成&ウイングボール遺伝を試みる
剣盾はレジェアルからかなり距離を置いている作品であり、当初では想定していない値のボールを遺伝させる場合の処理方法としては、どうしてもモンボに置き換えるという形を取らざるを得なかったのだろうか。
では、レジェアルと距離が近いBDSPの場合はどうだろう。わざわざ専用のマスクデータとしてストレンジボールを用意しているのであれば、ボール遺伝の仕様もレジェアルを見越したものになっており、剣盾のそれとは違う可能性はある。
ついでにウルトラボール入りの夢フワンテもBDSPに連れてきてみる。何故ならリメイク前のDPの頃はウルトラボールなんて存在しなかったわけなので、BDSPではどう扱われるのか気になったからだ。
画像の通り、これは流石にちゃんと置き換えもなしにそのまま表示された。ドリームボールとかコンペボールも同様と見て良いんだろうか。
というわけで、剣盾と全く同じで、ウルトラボール入りの夢フワンテ♀と、ストレンジボール入り(中身はウイングボール入り)の通常フワンテ♂をかけ合わせてみる。
結果は………?
ウルトラボール入り個体(通常通り遺伝されている)と………モンスターボール入り個体がランダムで生まれた。
アア…オワッタ…!
念のため、レジェアルからも確認してみたが、中身は通常モンスターボールなので、当然、レジェアルではストレンジボールに置き換えて表示されてしまっていることがわかる。
つまり、BDSP内でもヒスイボールの遺伝は不可能というオチになってしまった。剣盾と同様で、マスターボールやプレシャスボールの遺伝のような扱いらしい。
納得が行かないかもしれないが、よくよく考えてみれば、入っているボールを決めるデータ領域に、ヒスイボール以外の想定外な…例えば不正な手段で作り上げた値を入れられてしまった場合、その値ごとボール遺伝ができてしまうと、かなり面倒なことになると予想される。なので、現代ボール以外の遺伝は一律で通常モンスターボールに置き換えてしまおう、という処理なのだろう…。実際どうなのかは知らないけど。
結論
剣盾でもBDSPでも、親からヒスイボールの遺伝はできず、中身含め通常のモンスターボールに置き換えた状態の子が生まれる。
残念ながら、現時点でヒスイボール入りのポケモンはレジェアル内の野生産でしか増やすことはできず、オシャボ入りコレクション目的のトレードの対象としては厳しいということになる。
また、BDSP内でストレンジボールをオシャボとして魅せたい場合、夢特性との両立は「とくせいパッチ」の使用が必須になるため、かなり手間がかかる…ということになるんじゃないかな?
今回は剣盾とBDSPとの相互通行を実現させるために、こういった仕様になっているだけで、今年冬発売のスカバイではいつも通りにボール遺伝などができるようになっていると信じたい…が、そもそも世界観的に木製ボールという特殊な代物が現代ボールと同様に扱われる保証は全くない…!こればかりはスカバイの発売を待って見るしかないだろう。
逆に強制的にモンスターボールとして遺伝されるという仕様は、モンスターボールで統一したいオシャボ勢にとっては若干だが助かるのではないだろうか?何も悪いことばかりではないと俺は思う。
ところで、ストレンジボールはマスクデータとしての利用だけど、普通にデザイン良いんで通常の投げられる捕獲ボールとして登場させてくれませんかね…?パークボールもそうだそうだと言っています。
おまけ
最初のフワンテだが、レジェアルに戻したらオヤブンマークがしっかり戻っていたので、少なくとも第7世代のぬしポケモンをバンク経由でHOMEに送るとぬしポケモンじゃなくなってしまうみたいな悲劇はなさそう。
これはスカバイではオヤブンの状態は拾われてくれるんじゃないだろうか?期待したいですね。いや頼むぜマジで…!
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(7850字)
*1:結局、略称を「SV」にするべきか、これにするべきか迷ってる。