▲前回
終わりが見えてきたぜ~~~~~~!!!!!!!
~以下いつもの前置き~
なお、このブログは広告貼ってその収入でドメインを維持してるので、著作権周りはちゃんとしないといけなく、アニメをスクショしたツイートは非掲載となっている。引用するにも微妙なのばっかなので、気になる方は前後のツイートを表示するアドオンとかを利用していただきたい。
あと、感想は基本的にスレッドで長々と書いてる時の方が多いが、ここでは1ツイート目しか貼らないので、続きを見たい方はお手数ですが都度リンクを開いていただければ…「Twitterで会話をすべて読む」的なボタンが表示されているはず(Twitterアプリ内からこの記事開いた方は、ボタン押すと記事消えちゃうので、別ブラウザから開くなどしてください)
- 第25話「ひかりの夏の日さなえの思い出」
- 第26話「負けるななぎさ! みんな悩んで大きくなった!!」
- 第27話「残った宿題片付けろ! 梨と嵐とザケンナー!!」
- 第28話「ベローネパニック! わんぱく王女のお化け退治」
- 第29話「ウソマジホント? ポルンの子守り大作戦!」
- 第30話「頑張れルルン! 未来を紡ぐ光の力!!」
- 第31話「バルデス復活! チームワークでギリギリ突破!!」
- 第32話「闇から守れ! この世で一番大事な笑顔!!」
- 第33話「勇気を出して! なぎさ波乱のバースデー!!」
- 第34話「旅だ仲間だ! 修学旅行だザケンナー!?」
- 第35話「マジヤバ修学旅行! 思い出作りは危険な香り」
- 第36話「おうちに帰して〜! ポルンとルルンの大冒険」
- 第37話「なぎさ飛ぶ!ほのか舞う! 志穂全力の大舞台!」
- 第38話「さよならほのか!? 絆は固く永遠に!」
- 第39話「燃え尽きろ! 青春ラクロス決勝戦!!」
- 第40話「ふたりは最高! 全開バリバリなぎさと亮太!!」
- 映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち
- 第41話「気迫で渡せ! ちょこっと勇気のプレゼント!!」
- 第42話「銀盤の恋人たち? 滑って転んで大ピンチ!」
- 第43話「最後の冬休み! 特別授業だザケンナー!?」
- 第44話「ひかりが消えた日、明日を探す日!」
- 第45話「無限の闇 永遠の光」
- 第46話「捨て身の総攻撃! 闇の戦士マックスパワー!!」
- 第47話「扉を開けて! ここから始まる物語」
- 統括感想
第25話「ひかりの夏の日さなえの思い出」
MH25話、ひかりが雪城邸とかに来るのって初だっけ?タコカフェが休みの場合にひかりが求める「居場所」が既にあるのに対して、洋館の少年は居場所から飛び出そうとするの真逆だな…。
— koichil (@koichil) 2024年1月25日
前のひかりだったら怯えてたんだろうけど、おばあちゃまの影響を受けて守りたいもののために希望を
第26話「負けるななぎさ! みんな悩んで大きくなった!!」
MH26話(夏祭り2周目)、初代って将来の夢の話が微塵も出てこないからそういうのは取り扱わないのかな、と思ったらまさに夢がないことに悩む回があったのね…。
— koichil (@koichil) 2024年1月25日
母親の言葉は最初は響かないけど、今ラクロスに夢中ななぎさにとっては同じような立場の藤Pの言葉が説得力持つし、それで母親の言葉の
第27話「残った宿題片付けろ! 梨と嵐とザケンナー!!」
MH27話(梨園回)、いや~~~~~~………横軸も横軸、横軸を突き詰めて最高の横軸回だったな…。優しい老夫婦との交流だけで…理屈抜きで温まるというか…。
— koichil (@koichil) 2024年1月26日
雨降りそうだから梨の回収間に合わないし諦めるか…という流れで、25話の「希望を諦めない」でそれを覆す流れも良かった。
MH、どんどん脚本の平均値が上がっていく感じがすごいんだけど、最初期の尖った感じもなくなって行ってるし、すごく複雑だ~~~~~~!!!!!!!両立できないものなのか………………。でもこの先にS☆Sがあるのは納得だな~~~~。
— koichil (@koichil) 2024年1月26日
第28話「ベローネパニック! わんぱく王女のお化け退治」
MH28話(ルルン初登場)、新しいレギュラー妖精の初登場回でホラー回やるの、なんというか久々に第1作が故に縛られてない感じがすごい。ていうかポルンお前…女おったんかよ…。
— koichil (@koichil) 2024年1月27日
暴れたりワガママだったりする妖精が次々と継承されていくの、一体なんなんですかね…?
「ベローネパニック!わんぱく王女のお化け退治」
— koichil (@koichil) 2024年1月27日
↑
サブタイなんか違くない!!!????
第29話「ウソマジホント? ポルンの子守り大作戦!」
MH29話、ルルンをポルンの女だと思ってたら、どっちかというと兄妹的な関係だったのね…早とちりごめんよ…。ポルンに兄属性のイメージはどうしてもなかったからさ。
— koichil (@koichil) 2024年1月28日
しかしルルン…色と形のせいでパッと見やっぱ見分け付かんな…Fの妖精集合でも思いっきり俺が間違えただけある。
第30話「頑張れルルン! 未来を紡ぐ光の力!!」
MH30話、まさかの遊園地回3度差し…。でも無意味にやったわけじゃなくて、ちゃんと「なぎほのの出会い」「ポルンとの出会い」「ひかりとルルンとの出会い」でそれぞれ分けて振り返ってたのは良かったな。
— koichil (@koichil) 2024年1月29日
しかし、妖精のお世話の負担とか配分とかリアルな話、わりと本当にやるんだ…。
第31話「バルデス復活! チームワークでギリギリ突破!!」
MH31話、バルデス復活が主軸じゃなさすぎるしサブタイ詐欺なのは置いといて、長い話数を重ねた上の2年目をやるにあたってラクロス部のキャプテンになったなぎさで何が描けるかという点で完璧、熱い回だった…!今までの話の中でもかなり上位に入るでしょこれ。
— koichil (@koichil) 2024年1月31日
今まで散々エースのなぎさが
初代1期、1クール終了後あたりからしばらく脚本的にはアレと感じる回が続いてたので、正直「なんでこの作品こんな持ち上げられてんだ…?」という思いが消えなかったんだけど、終盤からMHにかけて普通に平均値がどんどん上がっていくので、この辺の良い後味が残ってる上での評価なのかなぁ。
— koichil (@koichil) 2024年1月31日
第32話「闇から守れ! この世で一番大事な笑顔!!」
MH31話(お団子屋回)、こういう話に弱いの典型みたいなヤツだった…。狭くてローカルに根付く老舗と今後の話みたいなところは、若干S☆Sっぽさも感じる。
— koichil (@koichil) 2024年2月1日
笑顔にしてきた人達から元気をもらってたことに気付いたから店をもうちょっと続けるという着地にしたのも良かったけど「畳んじゃうなんて…」
▲ミス、第32話です
第33話「勇気を出して! なぎさ波乱のバースデー!!」
MH33話、2回目の誕生日回は…ほのかはやったからなぎさのこれで最後か。
— koichil (@koichil) 2024年2月1日
なぎさというよりは、藤Pの等身大の悩みが中心だったかな。藤P、1回別の女子を振ってたはずなので、なぎさの告白未遂も多分気付いてる気がする…そこまで鈍感とは思えない。
第34話「旅だ仲間だ! 修学旅行だザケンナー!?」
MH34話(修学旅行前編?)、流石に京都だとひかりもなぎほのと合流できへんだろうなァ…と思ったら普通に自力で京都に来るの何。洋館の少年も次回で京都に来んの…?
— koichil (@koichil) 2024年2月2日
夏子と京子が久々に見れて良かった。そういえば、志穂は映画監督目指してるけど、映画村関連でそういうのはない感じなのか…?
第35話「マジヤバ修学旅行! 思い出作りは危険な香り」
MH35話(修学旅行後編)、日常描写とか可愛さ描写では満点の回だけど、洋館の少年とひかりが2回目の邂逅をしたこと自体に何か進展があったわけではないのが残念だな。基本的に1回目と同じ現象が起きただけみたいな感じだし。
— koichil (@koichil) 2024年2月3日
先生はド序盤が嘘のような感じで、普通にしっかりしてる…。
第36話「おうちに帰して〜! ポルンとルルンの大冒険」
MH36話、うぐっっっっ…………弱い…………こういう話に弱い……………。子供っぽさとワガママを通して、ルルンという存在でそれを自ら窘めてきたポルンが、女の子に何をしてあげられるかという回だが…
— koichil (@koichil) 2024年2月4日
ポルンとルルンにとっての冒険と同じように、女の子にとっても父親に自らの過ちを吐露することは
第37話「なぎさ飛ぶ!ほのか舞う! 志穂全力の大舞台!」
MH37話(牛若丸と弁慶回)、これ何気にシリーズではよくある戦闘中に得た何かが問題解決につながる初の回だったりするんですかね…(自信なし)
— koichil (@koichil) 2024年2月5日
初代における戦闘って日常を阻害する立ち位置でしかないから、今回みたいなパターンは逆に新鮮に映る。
志穂、ワイヤーアクションの続行が不可能と判断して、
てか今更だけど、MHって全47話だから何気にあと10話しかないのか…。もうド終盤やんけ…。長かったけど、終わりが近づいてくると寂しくなるな。
— koichil (@koichil) 2024年2月5日
第38話「さよならほのか!? 絆は固く永遠に!」
MH38話(パリ引っ越し)、決断どうするかを後回しにして終わるなんてことあるんだ…。これ本編中でまた触れることあんのかな?ほのか、オトナプリキュアだと結局世界中飛び回ってるっぽいけど…。
— koichil (@koichil) 2024年2月6日
どっちかというと、未来がどうなろうと今を生きるし、こっちが決めるぜ、を描きたいだけなんだろうが。
第39話「燃え尽きろ! 青春ラクロス決勝戦!!」
MH39話、残り話数的にも本当にラストのラクロス回なんだろうけど、同じ御高倶相手でも8クールの締めとして御高倶のキャプテンとの交流や成長を描いてくれたの、すごく良かった…。なぎさのキャプテンとしての成長と在り方を相手チームから俯瞰して、それを受け取ることで
— koichil (@koichil) 2024年2月7日
初代のスポーツ要素、8クールもあるからこそキャプテンになったなぎさが導く勝利を劇的に描いてるけど、逆に4クール以内に描かないといけない中でキャプテンではない咲のチームの敗北を描くS☆S、対称的だし真面目…。
— koichil (@koichil) 2024年2月7日
第40話「ふたりは最高! 全開バリバリなぎさと亮太!!」
MH40話(最後の亮太回?)、なぎさのラクロスにおける軸をそのまま弟のバドミントンに持ち込んだみたいな回だったな。亮太がバドミントン上手いなんて急に出てきた描写だし、かなり唐突ではあるんだけど、なぎさのラクロスの話が終わったから短く描ける回というか…。
— koichil (@koichil) 2024年2月8日
次、お子さま達が劇場でギャン泣きしたと噂の映画を見ます…ので1本分は一旦お休み。
— koichil (@koichil) 2024年2月8日
映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち
『映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち』を見終わった。
— koichil (@koichil) 2024年2月9日
MHの2つ目の映画…且つ初代を締めくくる最後の映画として、申し分ない作品だった…!なぎほのが仲違いするきっかけが完全に「第8話」を踏襲してて「あ、これは2人の"関係性"を本気(マジ)でやる気だ」とすぐわかるし、
S☆Sと5~5GoGoの映画が個人的にそこまで来なかったこともあったので、初代もそんな感じかなぁ…とあんま期待してなかったが、2作とも良い感じだったの、わりと驚きではあった。やっぱちゃんと見てみないと、わからんもんね。
— koichil (@koichil) 2024年2月9日
MHの2本目の映画、志水監督×成田脚本って完全にトロプリ映画と同じなんすね…。雪とかがモチーフなのも一緒だし…。
— koichil (@koichil) 2024年2月9日
第41話「気迫で渡せ! ちょこっと勇気のプレゼント!!」
MH41話、川村作監に加えていつもより上擦ってる声優の演技、ルミナスのバンクの変化と、これ重要回だったりするんですかね…?洋館の少年の話も終わりが始まるみたいな空気感。バルデスの狙いとしては、対となるひかりが覚醒に近づけばジャアクキングも復活するという感じなんかね、一応明示された。
— koichil (@koichil) 2024年2月10日
第42話「銀盤の恋人たち? 滑って転んで大ピンチ!」
MH42話(クリスマス2周目)、藤P本人の耳には届いてないみたいだけど、なぎさは告白する一歩を踏み出せたか…!2人の関係性の終着を描くなら、こういう落とし所にはしないだろうし、藤P関連は多分ぼかしたままこれで終わりかしら…。
— koichil (@koichil) 2024年2月11日
ひかりと洋館の少年、なんか双子キャラの共振みたいになってる…。
第43話「最後の冬休み! 特別授業だザケンナー!?」
MH43話、いつの間にキャプテン&部長やめてたの…。まぁ時期的には高校に進学するもんな…。
— koichil (@koichil) 2024年2月12日
科学部の新部長の子はそもそも科学部回が少なすぎて知らないからアレだけど、ラクロス部の新キャプテンは部内でケンカしてた子か。この子なら納得。方針的に御高倶のキャプテンと一緒にならん?感はあるけど。
第44話「ひかりが消えた日、明日を探す日!」
MH44話(ひかり消失)、これもしかして前回のが最後の日常回だったのか…。
— koichil (@koichil) 2024年2月13日
ひかりも洋館の少年も一方的に巨大な存在の半身として生み出された部分で同じなので、日常として過ごしてきた過程の違いあたりで対比を描く感じなのかなと思ったけど、やっぱりそういう方向性になりそう。
第45話「無限の闇 永遠の光」
MH45話(ジャアクキング復活)、すごい…すごいことになってきた…。ジャアクキングの半身である洋館の少年の日常を守る義理を通すなら、当然クイーンの半身であるひかりのそれも守らないといけない。だから「クイーンの復活は待ってない」という言葉が出る…。マジか………!
— koichil (@koichil) 2024年2月14日
第46話「捨て身の総攻撃! 闇の戦士マックスパワー!!」
MH46話(最終回前)、これ………残り1話で終わるんか………!!!!?????残り1話でバルデスとジャアクキング打倒やって、ひかりの話やって、洋館の少年も救って………間に合うんか!!!!!!?????
— koichil (@koichil) 2024年2月15日
ひかりにちゃんと意思確認するシークン良かったし、クイーンもひかりのこと想ってたの、
「闇の戦士マックスパワー」ってサブタイ、そういうことか…。
— koichil (@koichil) 2024年2月15日
プリキュア側がマックスハートなら、サーキュラス達はマックスパワー…。
第47話「扉を開けて! ここから始まる物語」
https://t.co/4Pjxenzf2i
— koichil (@koichil) 2024年2月16日
MH最終回、トータルで良かったは良かったんですけど………やっぱ話数や尺が明らかに足りてねえよなァ!!!!?????と言いたいぐらいにかなり駆け足な印象だった。
なぎほの墜落→復活の繋ぎ目が不自然なぐらい急だし、エピローグ突入までも余韻残さずで転換が速すぎる!
シリーズ構成は別の人だし…さらに言えば話数の調整はまた別の事情が絡むし…一概にアレと言うべきではないのだが、最終回の脚本がよりによって俺の好きな羽原脚本なので、うむむ…となっている。
— koichil (@koichil) 2024年2月16日
MH、最終回まで見終わったけど、統括感想はまた後日…(先にひろプリの感想書かないと…)
— koichil (@koichil) 2024年2月16日
いやしかし、この1年で5作品分(初代~5GoGo)一気に履修した(させられた)の狂っとる。20クール分、計250話前後ですよ…アホちゃうか。ようやったよ俺…。もうこれを経験したらたかが4クール分のアニメなんて一気に追えちゃうぜ~ってなっちゃいますからね。
— koichil (@koichil) 2024年2月16日
統括感想
終わった…………………終わった~~~~~~~~~~!!!!!!!!長かった~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
いや、あのですね。初代だけじゃなくて、この前にS☆Sと5~5GoGo!…初期の鷲尾キュアも直近で一気に追ってたんですよ。オトナプリキュアのせいで。全部で20クールですよ?250話前後…我ながらようやりましたわ…。もうやりたくない…。
というわけで、シリーズの原点である『ふたりはプリキュア』から続いて、その第2期とも言える続編『ふたりはプリキュアMax Heart』まで、この目でしっかり見届けさせていただきました。第1期の方の感想は前々回の記事で書いたので、とりあえずMHになるべく絞って書きたい。
スポンサーリンク
MHの要となる要素は、やはり新登場したメインキャラクター…九条ひかり/シャイニールミナスになるであろう。主にひかりについて書くことになると思う。
まず言わせて欲しいんだが、作品を見る前のひかりへのイメージは、まぁ…微妙な感じではあった。微妙というか、すごく難しい立場にいるキャラクターだと思ってて、ミルキィローズとかと同じ「設定上はプリキュアではないがプリキュアオールスターズとしてカウントされている」という特殊な属性なのだが、最初から多人数制を押し出している5~5GoGo!のそれとは違って「ふたりはプリキュア」のタイトルを冠している本作においては、どうしても「疎外感」があるキャラクターではないだろうか。
実際、シリーズにおける初代(なぎほの)プッシュ展開においては、ハブられがちな印象はどうしても強い。公式としても扱いづらいのかな…というアレはなんとなくで感じていた。本人のキャラもわかりやすい良さがあるというわけではなさそうに見えるし…。
で、実際に本編を見てみると、登場の仕方がわりと衝撃的だった。なんと、アカネさん(明確に描写はされてないが、恐らく他の世界中の人も)に対して認識改変を行い、アカネさんの親戚として居住などを手に入れてしまう。15年後ぐらいの作品で主人公の家族を洗脳して潜入する敵キャラ(後にプリキュアになる)がおり、洗脳したことを巡って色々取り沙汰もあった記憶だが、ひかりに関してはそういうのは一切ない。本当に世界が書き換えられ、最初から最後までひかりという存在はいて当然みたいな感じで、その是非に触れられることはない。いや何がすごいって、無から発生した本来存在しないはずの「関係値の積み重ね」*1を前提にエモく描こうとするエピソードが存在したりするんですよ、何これ…。
改変を認識できていない作中キャラ達はともかく、視聴者視点では普通にホラーでしかないのだが、一応ひかり自身も認識改変をしたという自覚はないようで、それどころか自分が何故この世界にいるのか困惑している様子すらあったので、本人にその是非を問い質しても仕方ないというのが何か…すごいバランスである。ええんかそれで…。
しかし同時に「認識改変」という描写には…1期を見てきた人には心当たりしかないだろう。そう、ベルゼイ達が初登場時に社会に溶け込むために行っていたことと同じである。アレも中々ホラーチックな描写だったが、これを光側の存在が行うことには、ちゃんとした意味があるのでは…?と考えていた。事実、作中では「光」と「闇」が相互的に干渉し合う概念であることが度々言及されていたのもあり、それこそがMHの要なのかなと。
で、やはり重要なのは敵側の縦軸として強く敷かれていた「洋館の少年」の存在だろう。ジャアクキングの命として突然生み出されてしまった存在………ドツクゾーンの戦士達に見守られながら、世界に生きる1人の少年としての自我と疑問が芽生えていく。言うまでもなく、クイーンの命として突然生み出されたひかりと出生が同じであり、あまねく日常と触れ合っていく光と、狭い日常に触れ合う闇とで明確に対比がされていた。
だからこそ、洋館の少年を真に救えるのは同じような存在であるひかりだけであり、この流れに沿った最終回になっていたのが良かったと思う。
しかし、さらに衝撃なのが洋館の少年が再び「認識改変」を重ねて来て、ひかりの弟になっちまうことなのだが…アカネさんの人生めちゃくちゃ!!!!!
でも俺は手を叩いて笑っちゃったんですよね…。「認識改変」がアレな行為なことに変わりはないんですけど、むしろ1期の続編として見た場合はかなり初代という作品に真摯とも取れるというか。その手があったか!みたいな。
1期から続く初代の一貫しているテーマとして「日常に侵食する非日常」があると感じていて、何があろうと等身大の日常を重視する作風は、最終決戦における闇に向かう世界の中でも"どうってことない日常"を口ずさむなぎほのでも描かれていた。これ自体はプリキュアシリーズ全体で共通している要素なのだが、初代に限って言えばもう一つあってそれが「非日常の日常への転化」なのである。
ひかりの認識改変がどうのこうのという話をしているが、そもそも思い返してみると、メップルとミップルがなぎほのを一方的に戦いに巻き込んでいること自体がヤバくて、その戦いが実質的に普通の女の子が巻き込まれてしまった「殺し合い」だということはピーサード退場回でも強調された部分。なぎほのが動かなければ、いずれにせよ虹の園はドツクゾーンに支配されるのは間違いないとはいえ、メップルとミップルという非日常的存在により2人も日常から非日常への転化を余儀なくされてしまった。
しかし、メップルとミップルは物語の進行に合わせて、なぎほのの日常にとって欠かせない存在になっていく。遊ぶ時は一緒に遊ぶし、辛い時は初期の煽りカスが嘘のようにパートナーのメンタルをケアしてくれるようになり、プリキュアと妖精の別れと再会は物語の境目で度々描かれてきた。
これって要するになぎほのにとって本来は非日常的な存在が、日常に欠かせない存在に転化したということなのだが、これはMHにおけるひかりにも同じことが言える。認識改変で入り込んできた異物とはいえ、アカネさんにとってひかりという偽物の関係性を持った非日常的存在は日常に欠かせない存在ということになり、それは4クールの交流を通して「本物」になる。ひかりにとっても自分が唐突にいることになってしまった世界は過程も何も重ねてない居場所なのだが、そこで得た交流や感情は「本物」になっていく。
非日常を偽物の異物と捉えるなら、MHは前作に続いてそれが本物になり日常に溶け合うことを一歩進んで描こうとしたのではないだろうか。そう考えると、崇高な話のように見えるのだが、それはそうと「こうなっちゃいました」はちゃんと説明しろ!!!!!!!!!*2
それはそうと、ひかりは結構好きなキャラだった。好きというか…とにかくかわいい。アタフタしたり敵の攻撃で苦しんだりしてる時の表情が何かこう、加虐心を唆られる。アカン、癖の暴露みたいになってるダメだダメだ。
かつてのなぎほののように戦いに巻き込まれることに当惑して変身タイミングも遅かったのに、後半から守りたい物が明確に増えて行って変身タイミングが早まるかと思ったら別にそんなことはなくずっと変身タイミングがバラバラで謎なのもかわいいね。
タコカフェのエプロン姿が特にかわいい。アカネさんがお店やめちゃうかもってなった時に捨てられそうな子犬みたいな表情で困惑してたのもかわいい。居住は大事だもんね…庇護欲も出てきてしまう…。
いや本当にMH見てから、こんなにもひかりがかわいいと思うようになるとは………個別の感想でも書いたと思うが、恐らくMHを見る前の俺の中の九条ひかりというキャラクターは「かんたんルミナス」の印象が強すぎたのか、あまりそういう感情を抱くことはなかったのだと思う。
あと俺と誕生日も血液型も一緒で生まれ年もかなり近いので、すごく親近感を覚える。クイーンの命なのに何で血液型があるんだよ。いや人間の体で生まれてるんだろうから間違ってないんだろうけど。そもそも9月生まれだと作中の時系列と全然合わないはずなんだけど、一体どういうことなんだ………ひかりが最初からこの世界にいたことになってるので、その改変後では9月に生まれたということになってるのだろうか…?全部「こうなっちゃいました」で説明されてしまうのか…!?
ともかく、実際の視聴で印象が完全に変わったキャラクターの一人なのは間違いない。ちゃんと見てみないとわからないものである。
ちゃんと見てみないとわからない、と言えばなぎほのの関係性もそうで、これより前にS☆Sを見ていたこともあって、こう…2人の関係性は友達以上の距離の近さ(オブラート)があるのかなと視聴前は思っていた。たまに流れてくる二次創作とかはそういう感じで描かれてるし…。
だが、実際はなんというか「親子」に近い関係性だったのが意外だった。しどろもどろな子供(なぎさ)の背中を押す母(ほのか)の描写とか、美墨家の実母より子に詳しいほのかとか………コンビの要素が強いプリキュアはこの先もたくさん出てくるが、いくら何でも「親子」っぽいのは20年経ってもなぎほのだけなのではないだろうか。それぐらいの独自性が、なぎほのにはある。オールスターズ映画などに出演しまくってるなぎほのだけ見ても…本当にわからん物だ…。
あとアレだ…志穂………こんなかわいい子がいるなんて知らなかった。こういうキャラクター性が強い非プリキュアのクラスメイトって最近だとあまり見かけないこともあって、すごくすごくすごく目立つ。初見で「この子かわいいな…」と思ったら、CVを見てビックリしたのも記憶に新しい。馴染んでしまうわけだ。今だったらブルジュラあたりがアクスタ化とかしてるんだろうな、志穂…。莉奈も2作目の映画で髪下ろしたら急に超美人に見えて良かったです(?)
というかずっと髪下ろせ…。
妖精キャラとかも最初の作品にして、かなり魅力的に描かれてた印象がある。メップルは後年の作品ではほぼ見かけなくなった「ウザいマスコット」の先駆けとも言える存在だが、そのウザいところは意図的に作品におけるギャグ要素として強めに描かれてたのが大分見やすかったし、なぎさとの関係性の根幹が徐々に変わっていくのも良かった。*3
5のミルクとかを見た後だと尚更感じるのだが、逆にミルクは何故ああいう配置になったのかが余計に解せないぜ…。
妖精キャラの中ではポルンもすごく可愛かった。赤ちゃんみたいな感じの駄々っ子キャラで、それまでウザ妖精のポジションを確立していたメップル達をその座から引きずり落とした新星。なぎさとメップルの関係値が深まったのは間接的にポルンの影響もあるような気がする。そんな中で、MHでは妹のような存在のルルンが登場したことで、今度はポルンがルルンにその座から引きずり降ろされるという謎の交代劇が展開されていたのも印象深い。何がしたいんだこの作品…。でもそのおかげでポルンの新たな魅力が芽生えたと思うし、可愛さに磨きがかかっていた。全プリキュア展の寄せ書きコーナーでメップルやミップルを差し置いてポルンのイラストがやたら多かった記憶があるが、その人気の真実を垣間見れた気がする。
妖精枠…じゃない気がするのだが、石の番人ことウィズダムも結構好きだったな。敵幹部を倒した区切りの場面にだけ登場する、二つ名や飄々とした感じのキャラで格の高い大物と思いきや、物語が進行するにつれ何かどんどん緩くなって行って、最終的に敵のアジト内でのギャグ要員になる形でまさかの実質レギュラーと化していた。CVを担当している松野さんの癖になる声も合わさって可愛かったが、何より20年続くシリーズでもこんなポジションのキャラは恐らく初代だけなので、新鮮な気持ちもある。『映画プリキュアオールスターズF』では長老とともにミラクルライト振りに来ていたことに気付いた時は、思わず泣いてしまった…。ちゃんと初代の中では扱いの強いキャラクターだったんだなって。
初代特有の要素といえば、外せないのは執事ザケンナー。まず1話で使い捨てになる怪物ポジションに相当する何かが独立した存在としてレギュラー化することが異常なのだが、他のドツクゾーンの構成員と違ってMHでもそのまま続投しちゃうので、結果的に登場期間が一番長い敵キャラ(あんま戦ってないけど)になっていたのがすごい。シリーズ全体で見た場合、恐らくブンビーさんに次ぐ期間と功績なのではないだろうか…。洋館の少年との交流も一番描かれていただけに、最終的にどうなったかの描写が一切ないのが本当にもったいない…。
そう、執事ザケンナーって1期で初登場したキャラなんですよね。この先の作品でも類似例が恐らく存在しない唯一無二の存在………初代はとにかく最初の作品であるが故に後の作品では絶対やらないこともやってるし、後の作品において新機軸とされる要素は主要素じゃないだけで既に初代がやっていることが多い…。まさに万物を生み出す「混沌」「光と闇」と言える作品だった。この辺は1期の総括感想でも書いた内容なので割愛する。
しかし、続編となるMHは…全体的に「無難」な作風になっていたと思う。ラストの「こうなっちゃいました」はともかく、脚本の質も明らかに良くなっており良く言えば「求めていたプリキュア」で、悪く言えば「尖った個性が削ぎ落とされたいつものプリキュア」になっているように感じた。色々突き詰めて考えると別にお互いトレードオフになってしまう関係ではないはずなのだが、1期の殺伐とした戦闘感などが薄れて行ったのはシンプルに残念だ。
とはいえ、どんどん見覚えのある感じの作風になって行く先に俺が強い感情を抱きまくった『ふたりはプリキュア Splash☆Star』の存在があるのは認めざるを得なく、この1期~MHにかけての過渡期がなければS☆Sは生まれなかったのだろう。そういう意味では必然的で必要性のあることだったと思う。
あと、MHは2年目をやる意義について、かなりしっかりしていたのが評価点として大きなウエイトを占めている。なぎほのが進級したことで、日常にどんな変化が起き、そこからどんな悩みが生まれたのか、エピソードとして真摯に向き合っていた。
これは2人だけではなく、中3→高1に進級した藤Pといったキャラクターも一緒で、本来は出番が大幅に減ってしまうはずなのに繋がりは切れてねえ!と言わんばかりに変わらず関連エピソードを多く出してくれたのが嬉しい。それどころか1期では上級生という属性もあり飄々としていた藤Pが、下級生となる高校では等身大の悩みを抱えるキャラクターとして描かれていたのも、そこにラクロス部キャプテンとなったなぎさが関わることで相互的に支え合う作劇になっていたのも、続編をやる意義について真っ向から向き合っていたと言える。小田島友華はごめん、ちょっとよくわからなかった。
行事や誕生日イベントも愚直に「2年目」をやるのだが、1年目から変化した部分が色々感じられて良かった。これを見てしまうと、同じ2年目をやる5GoGo!がなぜ「進級」から逃げてしまったのか余計理解に苦しむ。中3のこまかれが高校に行ってしまうとお話が作り辛くなるから、という言い訳はできるかもしれないが、5GoGo!って結局エピソードの大半で主要人物の活動拠点が学校よりかはナッツハウスだったので、あんま意味ないんすよね…。これMHの感想!!!!!5GoGoの感想じゃないぞ!!!!!!!
とにかく、MHも見終わったことで、ようやく俺は「シリーズの原液」を味わうことができた。まぁ…ぶっちゃけ初代は見なくてもプリキュアシリーズは楽しめるなという当初の考え自体は別に変わっていないのだが、作劇面や表現においてはガチガチに縛られがちな現在のシリーズについて考える時に重要な作品なのは間違いなく、それはMHの2番目の映画で描かれた「プリキュア同士の戦い」のシーンが一番わかりやすい。
脚本の質(特に1期の中盤)に関して文句を散々と言ってる通り、決して「原点にして頂点」と言える作品ではないと思うし、その点だけで言えば今のシリーズの平均値は比べ物にならないほどに上がっているという確証を余計に得たのだが、既存概念を壊す・非日常の中に見出す日常というシリーズの主要素を最初に扱った作品としては間違いなく一番徹底していたと感じた。この辺は後の作品は形を変えつつも、やはり薄れていってるというか、主軸じゃなくなっているのだ。
8クールもあるので、とにかく大変だったが、とりあえず見終えられたことに自分で拍手を送りたい。プリム、見てるか?俺はやり遂げたぞ…お前達は今何をしている………プリキュアの「原点」を学べたか?俺は学べたぞ、多分。お前が再起不能レベルでボコったシャイニールミナス、可愛かったぞ…。これがプリキュアだ!!!!!!!!!!
スポンサーリンク