本編新作の『ポケットモンスター ソード・シールド』発売1ヶ月前にして、くすぶっていた気持ちがあった。
「超ポケダンまだやってねぇ…!」
どれも名作と謳われている「ポケモン不思議のダンジョンシリーズ」、俺も昔から大好きで過去作で言えば「赤の救助隊」「時の探検隊」をそれはもう夢中でプレイしていたしエンディングは滅茶苦茶泣いてた記憶がある。
だがポケモン第6世代に発売された本作を遊ぶタイミングは結構逃していた。周りのポケモン勢はみんな遊んだみたいなのだが、俺だけ遊んでいない。
そんなこんなでポケモン本編もサン・ムーンで第7世代に突入してしまい、2019年の剣盾発売直前までズルズルと引きずってしまっていたのだ。遊ぼう遊ぼうと思っていたが中々手が付かず…。もうアローラは終わってしまったぞ!
そんなわけで剣盾発売後になってしまい手遅れになる前に思い切って本作を買ってしまった、サンキューブックオフ。
というわけで申し訳無さも抱えながら中古で残っていたデータは消去して、剣盾発売までの繋ぎになるように遊んでました。一通りゲームを堪能し終えたので(なんか中途半端に期間が残ってしまった…)以下、ネタバレも混じえつつ評価や感想を。
ちなみに俺は第5世代に発売されたマグナゲートは未プレイなのであしからず。時間あればこっちも先に遊びたかったですね。
とにかく多い!圧倒的なポケモンの数の暴力
本作が発売されたのは2015年9月。つまりタイミング的には第6世代の「オメガルビー・アルファサファイア」発売の一年後かな。
そんなわけもあってそれまでに登場したポケモンがまさかの全種類登場する。図鑑Noで言えばフシギダネからフーパまで、その総数は720種類!しかもちゃんとフォルムチェンジ含めて全員に3Dモデルとアイコンも付いてるという大判振る舞い…開発陣絶対大変だっただろこれ!?
ポケモン不思議のダンジョンシリーズと言えばダンジョンで倒した敵ポケモンを倒すと低確率で仲間になってくれるシリーズがこれまでのスタンダートだった。しかしこの720種類を仲間にするのにこのシステムは大変手間がかかるのでは…?という心配をしていたが、そこは心配無用だった。
本作では新たに「つながりオーブ」というシステムが登場。通常マップ上ではどこでも開けるメニューなのだが、ここではポケモン達から依頼を受ける事ができる。
しかもそれだけではなくここが肝なのだが、依頼を達成したりするとこのつながりオーブが光り、依頼してくれたポケモンやその関係者となるポケモン達がすぐに仲間になってくれる!つまり従来のダンジョンで敵ポケモンを倒して仲間にするシステムでは基本なくなったのだ。
720種類もいるポケモンの仲間化を実現させるために、これは非常にテンポよく行われる。依頼によっては一気に3匹~5匹ぐらいのポケモンが仲間になってくれるからこれがとても気持ちいいぞ!
仲間になるポケモンの種類も序盤から遠慮なしで、例えばビクティニなんかは何故か町にすぐ現れて話しかけるだけで仲間になってくれる。こんな序盤から幻のポケモンが使えるのはそれだけでも嬉しい。
ただこのシステムは欠点がないわけではない。仲間になれるポケモンの順番はある程度決まっているという事もあり、お気に入りのポケモンが仲間になるまで途方も無い時間がかかる事もある。俺の好きなコイキングとかはヒンバスの依頼でわりとすぐ仲間になってくれたから良いが、気になる人はすごい気になるのではないだろうか…。
他所でもよく言われる欠点で言うとシャッターシステム(通称"閉店ガラガラ")があり、タイミングによってはせっかく仲間にしたポケモンをダンジョンに連れていけない事も。ただこれは俺はあまり気にならなかったかな。何故なら元々大量にいる仲間ポケモンから適当に3匹取っ替えて旅に出させるのが楽しいプレイをしていたからだ。
魅力的なパートナーポケモン
ポケモン不思議のダンジョンシリーズと醍醐味と言えばやはり主人公のポケモンとそのパートナーとなる相棒ポケモン。俺は主人公はケロマツに、パートナーポケモンはリオルにしてみたのだが、従来のシリーズと比べパートナーポケモンのキャラクターがかなり立っている印象を受けた。
破天荒でかなり迷惑をかけるタイプのパートナーで最初は俺も「えぇ…」とパートナーポケモンが無茶やらかす度に思っていたのだが、ストーリーが進んでくと実は結構弱虫な一面が判明したりそれでも芯を強く行動を共にした事で他のポケモンともどんどん親睦を深めていく様はとても魅力的だと思った。あとパートナーが泣いてる時が滅茶苦茶かわいい、いじめたい。
パートナーポケモンに起こる今までのシリーズとは違う最期にはちょっとびっくりした。が、パートナーの復活イベントがあっさり気味だったのは少し残念かな。もうちょっと重厚に描いて復活してくれたら泣けたかもしれないのだが…。
むずくね?
今作、今までのポケダンシリーズと比べても難易度が異様に高い気がした。別にクリア後とかじゃなくて序盤から難しく、何度も死にかけた…。
なんといっても主人公達のレベルアップ速度が滅茶苦茶遅い。ストーリークリア時点でレベルは25前後なのでこれはマジで遅い…。
どうやら主人公達だけじゃなくて他のポケモンもレベルアップが遅いようで、クリア後の高難易度ダンジョンを挑めるレベルに達するまではかなりの作業を要する事になるだろう。敵ポケモンが強いのは構わないのだけど、そこら辺のレベリングバランスができてないと感じるので個人的には結構マイナスポイントかな…。
レベル関係で言えば気になってしまうのが「すばやさ」のステータス。従来のポケダンシリーズには素早さの概念がないため、基本的にこちらの攻撃は敵ポケモンにガンガン当たってやりやすい印象だったのだが、今作は上述の通り敵ポケモンと自分のポケモン間でレベル差、つまり素早さの差が大きく発生してしまうせいで、こちらの攻撃が滅茶苦茶外れまくる。
正直言って気持ちいい要素ではないと思った。次回作があるなら真っ先に撤廃して欲しいですね…。
あと恐らくどのプレイヤーも初見殺しで戦う事になった例の序盤なのにやたらレベル高いボーマンダ。
攻撃一回でこっちは一撃死するし、序盤の時点で勝つには各種状態異常系の枝を使って行動不能にし、ばくれつのタネといった高威力アイテムを連発する必要が出てくる。
多分、ストーリーを進めやすくするための初心者救済のつもりなのかもしれないが、まずこの方法を使ってコイツを倒す事自体が初心者には難しいだろうしレベルデザインとしては意図がよく読み取れない…。仲間にできてもとっかえひっかえして遊ぶ俺にはあまり関係なかったかな…。
その他の難易度はまぁまぁ良い感じだったんじゃないだろうか。上述の理解し難いレベルデザインを除けば、ローグライクゲームとしては歯ごたえのある調整だと思った。たまに依頼でモンスターハウスのど真ん中に放り込まれるのはどうかと思いますが。
コノハナ…お前…!
このゲームで多分一番存在感あるキャラだと思う。人生でコノハナにここまでのクソデカ感情を抱く機会は多分二度とない。
主人公をあんなに思いやってくれたコノハナが途中で裏切る展開、実はちょっと前から怪しいなとは思ってたので「嘘だろ!?コノハナ!」という感情より「どうして…どうして…」という感情が強かった。まぁちゃんと理由があったんだけども。
やはりシナリオ面ではこのコノハナ関連が印象に残るね。終盤の主要ポケモン達が次々と石化させられる展開もやはり絶望感がすごかった。
ただあの無臭すぎるスタッフロールはどうにかしてほしいと思います!
一方でつながりオーブコンプしたいかと言われると…
うーん、キツい…!w
まず720種が果てしなく遠すぎる…!フォルムチェンジとか含めるともっとあるだろうしね。
あとこのゲーム、残念なのが救助隊や探検隊と違ってクリア後のシナリオが滅茶苦茶少ない(パートナーを復活させるイベント)
そのせいで、そのイベントが終わってしまえば後はひたすら依頼を受けたりトレジャーを探すゲームとなる。住人の会話も固定で変わらなくなってしまうのでゲームの底を常に見ながらゲームを続ける事になってしまうのだ。俺はこれが耐えられなかった…。
ちゃんと過去作のようにシナリオクリア後も楽しいシナリオが長めに続いてくれればモチベーションも保てたのにな…と惜しい感じ。
ついでに、このゲームは「まじんのツボ」というアイテムをダンジョンに持ち込むと強力な性能のフーパをゲストキャラとして連れていけるようになりダンジョン攻略がいくらか楽になるのだが…この「まじんのツボ」はダンジョンから出ると毎回消えて一々取り直しに行くハメになる。これがとてもとても…めんどくさい…。フーパが倒れてしまってツボが消えるとかならまだわかるが、そうじゃない時はなぁ…。アイテム欄に留まって欲しい。
そして何よりダンジョンの依頼を受けて冒険に出るまでの作業量が多すぎる!(全てのローグライクゲームに共通するかもしれんが…)
まずはつながりオーブから依頼を受けるのだが、この依頼リストにはダンジョンの攻略難易度が書いてない!おかげでせっかくまとめて受けたのにダンジョンが異様にむずくて撤退せざるを得ない状況も多かった。一々島を移動してダンジョン難易度を確認しに行くのもすごい手間。
そして道具の整理!マジでめんどくせえ!冒険に出る時は大抵アイテム欄のセットが決まってるのでそのプリセットみたいな機能が個人的には欲しかった…。
総評
ポケダンシリーズの決定版、と謳うだけのポケモンの数や総ボリューム数はあるし難易度的にも歯ごたえを感じる。シナリオも絶望を煽る場面からそれを突破する場面まで熱い。調査団達のギャグの掛け合いも個人的に楽しめたぞ!
ただ、ゲームとしてはやはりクリア後のシナリオ不足によってモチベが続きにくかったり、ダンジョンへの出発に時間を要する点がかなりのマイナスポイントだ。せっかくのメガシンカも活用する機会があまりにも少ない。
あとエンディングもあっけない物で救助隊や探検隊ほど涙を誘う物ではなかった。
総合的にはやはり過去作の方が好きかな…とちょっと残念な感じ。
でもやっぱ大量のポケモンが次々と仲間になっていく快感は強いので興味のある人は是非遊んでみて欲しい。
とりあえずこれで思い残す事なく剣盾に移行できるぜ…!
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