まぎかる゜火葬場

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『ペーパーマリオ オリガミキング』の仲間キャラ「ボム平」への愚痴

プリキュアの記事書きたかったんだけど、あいにく時間が取れないのでプレイ中のゲームの簡単な雑感でお茶を濁すあ、ネタバレあるんで嫌な人はブラウザバックね。

 

先日発売された新作ゲーム『ペーパーマリオ オリガミキング』を現在プレイ中。ペーパーマリオシリーズを遊ぶのは第2作目のRPG(最後までクリアできてない)以来なので、結構久しぶりのプレイだ。そろそろプレイ時間が20時間を超えるが、それでもシナリオ進行度的には半分も行ってないので、そのとんでもないボリュームに驚かされる。

 

今作は発売前からシリーズファンに注目されていたのが、仲間システムの復活だ。『ペーパーマリオ スーパーシール』や『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』は未プレイなのでアレなのだが、これらの作品では廃止されていたのが不評だった程に人気のシステムで、ペーパーマリオシリーズといえばこれがないと始まらない!というプレイヤーも少なくない。

かくいう俺もやっぱり『マリオストーリー』や『ペーパーマリオRPG』の楽しかった要素を振り返ってみると、やはり魅力的で個性的な仲間達だと思うので、正直その気持ちはわかる。

 

というわけで、本作『ペーパーマリオ オリガミキング』で最初に仲間になるキャラがいる。それが「ボムへい」だ。

▲メインビジュアルの左にいるボム兵がそうです。

 

何らかの事情で記憶を失っており、自分探しの旅に出ているところをマリオとオリビアに同行する事になる。

見た目は導火線がない以外普通の「ボム兵であり、過去作でマリオの仲間になるボム兵族のピンキーやバレルとはある意味一線を画するデザインだ。

聞いた話では、近年のマリオ関連作品は世界観の保全(?)のため、既存キャラに昔のような独自のデザインが加えられないようになっているらしく(Twitterで「マリオ キャラ 規制」とかで検索すれば出てくる)、昔のペーパーマリオシリーズに出てきたような個性的な見た目の仲間などは実現できないのであろうか。今作の「ボムへい」もその煽りを受けてしまっている。

その代わり、オリビアが作中で彼の事を言い間違えて「ボム平」等と呼称する事により、ファンの間では「ボムへい」という汎用ネームではなく「ボム平」という一人のオリジナルキャラとして認知させる事に成功させてる感じ。こんな形でキャラ規制から苦し紛れに抜けるスタッフの図太さには感心するばかりだ。

 

このボム平はただマリオに付いてくるだけではなく、従来のシリーズに登場した仲間達のように、戦闘(ウェーブバトル)にも参加する。…のだが、少なくとも俺のプレイ中では大した活躍はしてくれなかった。

そもそもウェーブバトル自体が最適解を選べばマリオの行動だけで終了する事の方が多いので、ボム平の攻撃機会が少ないのだ。加えていざ攻撃に参加しても大量にいる敵の中の1匹を体当たりでダメージを与えるだけ。導火線がない設定なので、どうやらピンキーやバレルような爆発攻撃も出来ない。ハッキリ言って地味である。

そもそも、大量の敵が襲ってくるウェーブバトルの仕様上、一体の敵を倒したところで戦況に対した影響も与えないのがあまりにも辛い。

さらに俺を苛つかせたのが、このボム平、攻撃時に高確率で転ぶ。故にほとんどの場面で敵の殲滅にすら寄与できていないのだ。

バトル外でもまだまだ言いたい事はある。せっかくマリオに「思い出作り」で同行しているのに、各ワールドのボスが登場するダンジョンや、忍者屋敷といった楽しいアトラクションに入ろうとすると「あ~自分はいいっすわ^~」みたいな事をぬかしてPTから一時離脱してしまう。

仲間システムが復活したのは嬉しいが、正直こんなのはあんまりなので、プレイ中はひたすらここら辺が残念としか思えなかった。

 

そして、プレイ済みの方はご存知だろうが、ボム平は最後の最後、岩に潰されたオリビアを助けるため、復活した導火線を使って自爆し死亡してしまう。ピンキーやバレルといった過去作のボム兵は爆発しても別に死んだりしないのに、ボム平は幽霊となって現れるぐらいなので、ガチで死亡してしまったようだ。この設定の矛盾は一体なんなんだろうか。先述のボム平に対する不満に加えて、それが気になりすぎて、感動的な死に別れシーン(仏頂面のマリオが焦って止めに入ろうとするレベルなので相当の出来事)もあまり悲しい気持ちにならなかった…。

そもそも死ぬ前に「マリオ達と思い出が作れてよかった」と散々死亡フラグを立てていたのだが、その割にはやはりどうしてもPT離脱する際の薄情な場面が印象的すぎて、説得力に欠けてしまっているのが非常に残念だ。

 

まだそこまで進んでないので実際のところはわからないが、恐らくこの先に登場する別の仲間達もボム平のように永久的な仲間にはならないのだとしたら、やはりそこら辺の描写は頑張ってもらいたい物である。

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…と、愚痴を吐き続けてみたが、この「ボム平」というキャラの設定と、本作品が彼で描写したかった事自体は非常によく出来てると思ってるし理解もする。正直結構好き。

 

まず、キャラ規制の結果、ボム平のデザインが導火線の有無以外、普通のボム兵と変わらない点が残念だという前提はありそうなのだが、今作はその「縛り」を逆利用して彼のストーリーに味を付ける事に成功している。

そう、彼は「ボム平」というオリジナルの個性を無理矢理与えられたものの、本質的にはただのボム兵と変わらない。本来であればモブ同然のただのボム兵だからこそ、マリオ達と冒険し思い出を作る事に特別感があるし、結局最期にはただのボム兵のように宿命で自爆する事に大きなカタルシスが発生する。

 

さらにずっと仲間にはならないという刹那的な仲間システムは本来なら「キャラクターロスト」として受け入れにくいので採用し辛いのだが、今作のボム平に関しては種族の特性も合わさってそれがストーリーに深みを与えているといえる。

過去作のピンキーやバレルがキャラクターロストしないため、同じボム兵族でも彼女達が出来ない事をボム平は自身を文字通り犠牲にしてやってのけたのだ。

人気の仲間システムを復活させつつ、制限下でしかできない事をやっていこうというスタッフの心意気には、普通に喝采を俺は送りたい。死んだ後も、OEDOランドで写真を撮ると心霊写真のように彼が写るというのも、スタッフがしっかりキャラクターを大切にしているんだなというのを感じれる。

 

…だからこそ…だからこそ!もう1歩、ボム平に戦闘で頑張って欲しかったし、ダンジョンとかにも付いて来て欲しかった…。コンセプト、材料がすごく良いからこそ…その調理をもう1歩頑張って欲しかった…。

TLを見る限り、多くの人はボム平を失って悲しんでるようなのだが、元が良いからこそどうしても完璧を求めてしまい、僕はどうしてもそういうところの方が気になってしまったのだ。

 

勘違いされないように言っておくと、ボム平やこのゲームの事は嫌いではない。むしろ今の所は好き寄りだ。好き寄りだからこそ、大きい感情を抱く程の作品だからこその「愚痴」なのだ。

TLを見る限り、本作の評判は非常に良い。いつクリアできるかはわからないが、この先の展開も楽しみにしつつプレイしていきたい。

 

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