まぎかる゜火葬場

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【エキスパンションパス】ポケモン本編が遂に殻を破った、我々も呪いから解き放たれた

正直そこまでの期待はしてなかった。

発表されるのは精々、ポケダンとかの本編外のゲームについてや、過去作とかから剣盾にポケモンを連れてきたりできる「Pokémon HOME」についての詳細だけかと。

でもそれだけじゃ20分は持たないだろうし、どうなんだろうというアレはあったが、まぁとにかく過度の期待をしていなかったのは事実だ。

「ホーム解禁されたら過去作からオシャボポケモン連れてこないとな~、やれやれ」ぐらいの気持ち。

 

 

しかし蓋を空けてみれば………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂にやりやがったな!!!!!!!!!ゲーフリ!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

マジか…!幻覚じゃないよな…!?これ本当にゲーフリのポケモンか!?あのゲーフリによるポケモン本編で有料DLC!?

 

比較的最近ポケモンに入った方々はもしかしたら「何を驚いているんだ」と思われるかもしれない。それは尤もであり、何故なら任天堂発売のゲームで有料DLCなんて物は今時珍しくないからだ。

ゼルダだってマリオだってFEだっておまけにスマブラも有料DLCコンテンツというのは比較的最近出すようになってきた。なので、今更ネームバリュー的にも同じかそれ以上のポケモンというタイトルがだよ、史上初とはいえ有料DLCに手を出す事は自然に感じられるだろう。

 

それはそうなんですけどね!!!!!!違うんです!!!ポケモンというコンテンツは…。今まで、ポケモン本編は、そんな当たり前の事を何故か忌避してやってこなかったコンテンツなんですよ!!!!まずはこれを知って欲しい。

 

その始まりは実は初代ポケモンから。当然技術的に「DLC」という概念が存在しなかった「赤緑青バージョン」では追加要素を加えた「ピカチュウバージョン」を新たに発売していた。いわゆる「マイナーチェンジ商法」というヤツである。

この商法はわりと最近まで、慢性的に続いていた慣習とも言える。

 

・赤緑青→ピカチュウ

・金銀→クリスタル

・ルビーサファイア→エメラルド

・ダイヤモンドパール→プラチナ

・ブラックホワイト→ブラックホワイト2

・サンムーン→ウルトラサンムーン

 

第6世代のXYを除き、これまでの世代のポケモンには全てマイナーチェンジ版が存在していた。これは本来ならDLCによる既存タイトルの拡張が可能なサンムーンでも同様。

 

既存タイトルにほんのちょっとの追加要素や変更を加えて新たに物語を売るという商法は「また好きだった地方を冒険できる!」というワクワク感もあれば「使い回しのように二度漬けしただけの手抜き」と批判を浴びる事も決して少なくはなかった。

プレイヤーは本編の続きから遊ぶのではなく、全てを一新してマイナーチェンジされたゲームに挑む必要があったのだ。当然、ほぼ同じ内容をフルプライスで買わされたり、ほぼ同じ物語を辿らせられるのに抵抗があったのは想像が難しくないだろう。

 

特に問題だったのが、ポケモンにハマっていればハマっている程、マイナーチェンジ版の購入を余儀なくされる点にある。

ポケモンというゲームは他のゲームタイトルと比べても「生物(なまもの)」だ。ポケモンの対戦、交換、それを通じた他のプレイヤーとのコミュニケーション、それらの要素が非常に強いソーシャルなゲームなので、ポケモンというコンテンツを楽しく追いかけ続けたいのであれば取り残されないようにマイナーチェンジ版に環境を移行せねばならなかった。

 

例を出そう。マイナーチェンジ(orリメイク)でよくあるのが既存のポケモンに新たなフォルムが与えられる事である。例えば第3世代の「ルビー・サファイア」にはデオキシスというポケモンが登場するが、フォルムチェンジを想定していなかったのか内部データにはノーマルフォルムしか存在しなかった。しかし続く「ファイアレッドリーフグリーン」では新たにアタックフォルムとディフェンスフォルムが、「エメラルド」ではスピードフォルムが登場。一応同じデオキシスではあるので「ルビー・サファイア」と「エメラルド(等)」間の通信対戦での使用は互換性が半分保たれていた。ただし内部にグラフィックが存在しないので「ルビー・サファイア」ではどんなフォルムだろうが、表面上の外見はノーマルフォルムに統一されるといった具合。

つまり、互換性を保てるように同世代間で新しい図鑑ナンバーの新種が追加されるという事はなかった。このぐらいであれば、わざわざマイナーチェンジを買わなくても対戦を続ける事は半分可能であったと言える。

 

しかし第7世代における最新作「サン・ムーン」ではこれが破られる。なんと、同世代のマイナーチェンジである「ウルトラサン・ムーン」ではベベノムをはじめとした5体の新ポケモンが追加された。同世代間で新しい図鑑ナンバーのポケモンが追加されるというのはそれまで前例がなかった異例の事態であったのだ。

では、「サン・ムーン」と「ウルトラサン・ムーン」間の互換性はどうなったのか。「サン・ムーン」はアップデートによる対応ができる3DS機のゲームなので、本来なら互換性を持たせるために追加された5体のデータを加える事が求められる。

しかし、開発元のゲームフリークはそれを行わなかった。理由はわからない、経営判断でマイナーチェンジ版を売って利益を上げる方向にしたのだろうか?それらのソフト間で対戦や交換を行う場合は5体を使わせないという感じに対応をし、無理矢理互換性を保ったのである。

当然マイナーチェンジ版が発売されれば対戦人口も含めてプレイヤーはそちらに傾く。マイナーチェンジ前のゲームはすっからかんだ。ポケモンプレイヤーは必然的にマイナーチェンジ版への移動を半分強制される。

 

このようにポケモンにおける「マイナーチェンジ商法」というのはコンテンツの寿命を比較的手軽に継続させられる反面、プレイヤーにとって付き纏ってくる一種の呪いであったとも言える。厳選環境とかもその度に整えないといけないしね。

一方でよくポケモンの対抗馬として比較されがちな「妖怪ウォッチシリーズ」、こちらは俺も遊んだ事があるのだが、ポケモンと違って新しい妖怪が追加されたマイナーチェンジ版を発売する際は互換性を持たせるためにマイナーチェンジ前も同時にアップデート(新妖怪の追加等)を仕掛けてくれる。ハッキリ言ってしまえばポケモンより「合理的」で「現代的」だ。

そういう事もあり、俺含めてポケモンはアップデートで新要素や新ポケモンを追加しない」という認識はいつの間にかポケモンプレイヤー間のパブリックイメージになっていた事は否めない。間違いなく他に負けないビッグコンテンツでありながら、変なところで後進的なのであった。

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が、しかし!

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遂に破ってしまった、その壁を、そのイメージを!

新マップや新キャラだけではない。新しいリージョンフォームや新ポケモンの姿まで確認できる!まさに「ウルトラサン・ムーン」のような微々たる追加要素を、その呪いを、DLCという形へ遂に変える事ができたのである。ポケモン剣盾のエキスパンションパスで!

ここまでのポケモンにおけるマイナーチェンジの沿革を読んでいただければ、ポケモン本編において有料DLCが実装される事自体、それまでのポケモンファンにとって如何に異常事態に感じられるかがわかるだろう。

これによりポケモンプレイヤーは発売の度に一々冒険をやり直す必要も、環境を改めて整え直す必要もなくなったわけである。

 

俺はDirect後のアップデートで早速、それまで内部データにはいなかったはずのガラルヤドンが捕まえれる事に感動してしまった。まさかポケモンでこんな日が来るとは…。

それにガラルへの入国が禁止された既存ポケモンも今回の有料DLCに伴う無料アップデートで一部追加されるとの事。現状の400体だけでも俺は十分だと思っていたが、ポケモンが多いに越した事はない、素晴らしい対応だと思った。

最初の有料DLCは「ぼんぐり」も登場するらしい。オシャボ勢からすればガンテツボールの残り個数を気にしなくて済むのでこれも朗報である。ドリームボールとウルトラボールはどうなるんだろうなぁ…。

 

今まで当たり前じゃなかった事がようやく当たり前になった。現在のポケモンはまさに向かうところ敵なしである。一つ残念なのはDLCの配信時期が6月末と秋頃という大分遅い時期な点だろうか、俺はローズなので正直1日も待てない。

しかしよく考えてみれば、今までのポケモンのマイナーチェンジ版やリメイクといった新作も一年毎、それも秋の発売なので、それを考慮すればいつも通りといえる。

あと、これは誰からも言われてるけど、これで3000円という値段は多分安すぎる…。逆に言えばお金を追加で払わないとそれらのポケモンが入手し辛いという事なので、幻のポケモン所持のような格差は生まれるのかもしれないが…。

 

とにかく楽しみだ。今後のポケモン本編も今回のように対応してくれる事を願う。しかし、こうなるとリメイク作とかはどうなるんだろうか…。DLC第3弾でシンオウ地方に行けるようにするとか…?いや、それだったら流石に普通に新作として売り出すかなぁ…。

 

おまけ

それ見る前に買っちまったよ………早く言ってくれよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!くそう許さんポケモンセンター!!!!!

 

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