まぎかる゜火葬場

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感想『救急戦隊ゴーゴーファイブ』 真摯な救急活動の描写と一家関係性の対比

niconico東映特撮ニコニコおふぃしゃるで毎週無料配信がされていた『救急戦隊ゴーゴーファイブ』全50話を今しがた視聴し終えた。

ch.nicovideo.jp

 

同チャンネルでは過去の昭和ライダー平成ライダーをはじめ、スーパー戦隊シリーズメタルヒーローシリーズといった作品を毎週無料配信を行っている。

そういった名作達をniconicoのコメント付き(独特の文化も形成されてる)で見れるとてもありがたいチャンネルで最早俺の中では習慣と化してるぞ!

 

そして1992年放送のスーパー戦隊シリーズ恐竜戦隊ジュウレンジャー』から配信が始まり(実は1994年のカクレンジャーが一発目だったんだけど…)、遂に西暦2000年を経由する記念すべき作品『救急戦隊ゴーゴーファイブ』が一年前に配信開始された。チャンネルでのスーパー戦隊シリーズ配信もここまで来たか…と感慨深くなるな。

 

というわけで4クール全50話を見終え、せっかくなので簡単に感想を記したいと思う。

 

本作はその題名の通り、災害に対する救急活動を軸にしたヒーロー達で、悪役となる怪人達が起こすかなり大規模な災害に巻き込まれた市民達を助けながら怪人を倒すというのが基本構成となる作品だ。

 

5人いるゴーゴーファイブに変身するのは巽一家の5人兄妹。彼らをサポートするのも巽一家の父親である博士なので、物語当初からわりと既に関係性が成熟されてるチームだ。

※以下、ネタバレを混じえた感想となります。

救急活動描写

この作品を語る上でやはり欠かせないのがおふざけ一切なしで描かれる救急活動描写だろう。

兄妹は物語開始前、つまりゴーゴーファイブとして強制的に任命される前は長男であるマトイ以外は救急活動とは間接的に繋がっている職業に就いていたという設定。それぞれ消防局の研究員だったり、ヘリコプター隊のパイロットだったり、巡査だったり、救命士といった具合。

 

彼らがゴーゴーファイブとして活動を始めてからは、それぞれがその経験を活かして直接救急活動に携わる描写が増える。

怪人が暴れる事で建物などはすごい勢いで崩壊し、そこに閉じ込められる市民達を助けに行くシーンが全編に渡って描写される。彼らには救急活動における各人のポリシーや迷いがあり、そこにどう向き合うのかといった答えを出すシーンがとても真面目に描かれてるなぁという印象だった。

 

今思えば日本では多くの自然災害が頻発する。大規模な自然災害では何人もの犠牲者が出るし、今にも助けを呼ぶ人々とそれを助ける人々を茶化して描写する事など不可能なのだろう。

怪人による災害であってもその点では現実の自然災害と同等であり、本作は真摯に救急活動をする若者達をリスペクトして描いていたと感じた。

メインターゲットである子供に対しても、救急活動の重要性や尊さは伝わっただろうし、大人も安心して見れるのは間違いない。

 

方陣営・敵陣営における"家族"の対比

この作品を語る上ではやはりここは欠かせない。

方陣営であるゴーゴーファイブが兄妹とその親によって構成されているのは上述した通りだが、本作では敵陣営の災魔一族も兄妹とその親によってほぼ構成されている。

 

方陣営側の兄妹の絆や親子の関係が重点的に描写されるのと同時に、意外な事に敵陣営も兄妹間の仲はかなり良かったりするのだ。

末っ子のサラマンデス(元ドロップ)を除き兄妹はお互いにリスペクトをし合う関係性でスーパー戦隊シリーズの敵陣営にありがちな仲違いによる裏切りなどは発生しない。

終盤の妹であるディーナスが自らを犠牲にして一度戦死した長男を復活させるくだりは敵といえど手に汗を握るエピソードであり、ギャップ効果もあるのか巽兄妹以上に兄妹愛を感じさせる。

 

しかし一方で災魔一族における母親、つまり首領ポジションの大魔女グランディーヌは物凄く冷酷だ。それは敵としての地球人に対する冷酷さだけというわけではなく、自分の息子や娘にも対してもで、特に終盤では「子はいつか親を裏切る」という信念の元に彼らを無情にも使い捨てる描写が目立った。niconicoのコメントでは「毒親」などと言われていたが、毒親を超えた何かだと思う…。

 

それに対し巽一家は父親も母親も一貫して子供達を信じるという点が描写されていたように思える。オープニングの「待ってろよ 生きてろよ」という歌詞は父親である博士が危険な任務へ出動する子達に対し、信じて送り出すメカといったサポートに通じる物がある。最終話まで失踪していた母親が言わずもがな、お互い待ってる生きてると信じていたこそ最後に希望を、そして勝利を手にする事ができたのだろう。

 

「信じ合うのが家族」がテーマの本作において、それを成し遂げた巽一家と、片方は成し遂げられなかった災魔一族。勝敗を切り分けたのはここだったのだろうか。

 

子供も大人も唸る!真面目な救急ヒーロー物を見たいという方は是非、視聴してみてはいかがだろうか。ドラマがとても熱いぞ~!

個人的に博士こと親父が物凄く良いキャラをしてるので要注目です。

 

という事で次の配信はセオリー通りなら『未来戦隊タイムレンジャー』なんだろうか?詳しくは知らないがタイムスリップ物の感じがするので、最近放送を終えた『仮面ライダージオウ』も想起しながら楽しめそうですね。

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