「TSUTAYA、DVD5本セットで借りれば1,000円になるんだよな~~~でも今すぐ見たい映画そんなにないな~~~」
「残り1本どうしようかな~~~~~クッッッッソ迷うな~~~~~」
「洋画コーナー行ってみるか~~~~」
「これにしよう~~~~~~wwwwwwwwwww」
………と、勢いで借りてしまった作品。そう、巷で話題のあのスーパーマリオの実写化作品である。アメリカ製だよ。
噂はかねがねから聞いていたが、パッケージで既にトンチキ映画感がパない。僕はマリオ作品はちょくちょく遊ぶが、そこまでディープにハマってるわけではないので、その手のファンから見たらどう思うのかはわからない。でもパッケージを見ただけでいわゆる「原作を最大限にリスペクトした良作」と言われるような実写化作品ではない事はヒシヒシ伝わってくる。
普通なら視聴に躊躇うところだが、残念な事に俺はこういう臭いのする作品は大好物なので、手を伸ばしてしまった。そう、伸ばしてしまった…。
作品の具体的な感想を述べる前に、まずはそのビジュアル面を紹介したい。この作品が普通じゃない事がすぐわかるので。
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刮目せよ!見事な再現っぷりのマリオキャラ達
まずは主人公のマリオとルイージ!
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
うん、まぁコスプレ感すごいけど、マリオやルイージだとわかるし、まだ良いんじゃないかな。この格好するの終盤だから、それまではただのヒゲのオッサン達だけど。
続いてヨッシー…
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
なんでだよ!!!!!!!?????????
ヨッシーを実写化したら何でそうなるの!?任天堂なんでこれにOK通したの!!???
続いてクッパ!
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
ただのオッサンじゃねーか!クッパだってわかんねーよアホ!!!!
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
ただのオッサンなので火炎放射器で戦います。特殊能力は何もないのか…。
ピーチ(※一切登場しない)を差し置いて、この作品のヒロインに抜擢されたデイジー!
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
お、おお…?まともだし普通に美人だ…。サラサ・ランドの姫という設定も消えてるし、ぶっちゃけ原典からかけ離れてるが、実写化ならこんなんもんだろと許容範囲と言える。ヨッシーで大分感覚がおかしい事になってる。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
※クリボーです。
もうやだ…。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
スーパーマリオシリーズ最大の特徴であるファンシーなキノコもこの実写化作品にかかればこんなグロテスクな姿に!
シナリオ自体はわりとまとも?
あまりにも「スーパーマリオ」からかけ離れたビジュアルを見せられると、いわゆる「クソ映画」と同じ評価をくだしてしまいそうになるが、この映画、実はシナリオ自体は大きな破綻もなく結構普通に楽しめるのが逆に悔しい。
そう、スーパーマリオのキャラクターを借りただけの全くの別作品と見てしまえば、意外と全然見れる。なんなんだアンタ。
どんなシナリオかはWikipediaとか調べれば出てくるので、ここでは一々説明は行わないが、ただシナリオを破綻させないためにスーパーマリオの世界観やキャラクター設定が大きく歪められているので、まずはビジュアル以外にもそこを受け入れる必要がある。というか別物。
例えば、原作ではマリオとルイージは実の兄弟だが、この映画では血の繋がりがなく、マリオが孤児のルイージを拾って育て上げたという設定になっている。マリオブラザーズじゃないじゃん。
肩幅がすごいクリボーは退化光線で退化させられた恐竜帝国の住人だし、クッパも亀ではなく恐竜が進化した姿という設定。退化光線で一瞬だけ、恐竜族としてのクッパの一面を見る事ができるぞ!クッパである必要ないじゃん。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
シナリオや設定自体はわりとしっかりしてるし、マリオとルイージのコンビによるドタバタ冒険活劇とアメリカンテイストな作風が合わさって、作品自体は結構楽しく見られてしまったな…。
よく考えてみると、ちゃんと「スーパーマリオ」してる
この作品自体の評価は、マリオとは別物として見れば…という所に落ち着きやすいが、腐っても実写化マリオを名乗ってる作品なので、よく見ると結構原典をちゃんとリスペクトしてる部分も多い。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
この映画のマリオとルイージは普通の人間なので、原典の最大の特徴でもある「スーパージャンプ」が出来ないのを、謎のメカで無理矢理にでも再現しようとしたりする努力は見える。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
マリオVSクッパの最終決戦は、『スーパーマリオワールド』のラスボス戦で登場したクッパメカみたいなのを再現してたり…(意識してないかもしれないけど)
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
マリオカートを思い出させる(こじつけ)カーチェイスシーンもあるぞ!うん、別にマリオカート関係ないかもな…。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
ボム兵など、申し訳程度に原典のビジュアルをちゃんと再現してるギミックも一応登場する。いきなり出てきて不自然だったけど。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
再現と言えば、原典のマリオが持っている「職業:配管工」の設定がこの作品ではふんだんに利用されている。ただ、原典のマリオ達が配管工をしているシーンは少なくとも俺は見た事がないので、厳密には原作再現とは言いづらいのだが、それでもマリオというキャラクターが一番ちゃんと配管工をしているのは間違いなくこの実写版マリオだろう。
あと、再現じゃないけど、おもしろいのがこの映画には未来のマリオ関連作品を思い出させる要素もあるという部分。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
クッパ陣営に攫われた女性達と一緒にパイプ内をベッドで滑って逃げるシーン。例えばこれは、『スーパーマリオ64』 のスライダーを思い出させる。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
さらにこの映画には『ドンキーコング』に登場したポリーンもマリオの彼女として出てくる。何気にマニアックですね…。
右の女性がそうなのだが、このビジュアル、見覚えがないだろうか。そう、最近発売された『スーパーマリオ オデッセイ』にリデザインされて再登場したポリーンに結構そっくりなのだ。
しかも、このマリオやポリーンが暮らしているのはニューヨークなので、オデッセイに登場するニュードンク・シティとかぶる部分もあるのでは?
何が言いたいかというと、任天堂もしかして…結構この映画を参考にして後発のゲーム作品を作ったんじゃないか?と思わせてくるので非常に興味深い。
ルイージとデイジーの今や普通となったカップリングも、この作品が初出なところあるかもしれませんしね。いや全く意識してないかもしれんけど。
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』 ©1993 Allied Filmmakers N.V./©1993 Nintendo
ちなみによくデマ情報として拡散される「マリオの本名はマリオ・マリオ」の元ネタとなるシーンも出てきて「あっこれかぁ!」ってなった。多分、実写映画独自の設定ですかね…。
この名乗るシーン、流れ的にメリケン映画特有のアメリカンジョークとしてかました感じが非常に強いんだが、実際どうなんだろうか?多分、フルネームは「マリオ・マリオ」じゃないと思うんだけどこれ…。
以上、感想というか紹介みたいになってしまった。いやこの映画の感想は難易度高いですよ…。
総じてツッコミどころが多いというかツッコミどころが映画の形になって襲いかかってきたみたいな作品で、正直任天堂に怒られろとしか思えないんですが、ストーリー自体は意外とよく出来てるし雰囲気も楽しい娯楽映画として評価したい。
終盤にマリオとルイージが満を持して、原点通りの格好になるのも結構熱いし、少しでもマリオに触れた事ある人は是非一見してみて欲しい。
日本での評価は調べると普通に高いらしいが、ぶっちゃけこの実写化が許されるなら、実写ソニック(※修正前)のデザインも許されていいでしょ…。
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